金井高志議員
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金井高志議員による選挙ドットコムのブログ記事

金井高志議員は、令和7年(西暦2025年)8月18日付の、「外国人増加による「治安」の悪化などの情報についての検証 フェイク情報のNHKによる検証 」と題された選挙ドットコムのブログで、以下の虚偽情報を発信しました。

「外国人が増えると治安が悪くなる」という主張に対し、国立社会保障・人口問題研究所の是川夕国際関係部長は、過去30年で外国人人口が3倍近くになったにもかかわらず、 外国人による刑法犯検挙人数は減少傾向にあると指摘しています。また、人口あたりの犯罪率も、年齢構成を考慮すれば日本人より高いとは言えないとしています。 他に、「不法残留が増え続けている」、「不起訴率が高い」、「凶悪犯が多い」といった主張も、法務省や犯罪白書のデータから誤りであることが示されています。

虚偽情報の元となったのはおそらく社人研の是川夕国際関係部長

金井高志議員のブログ記事は、私たちが検証したNHKの記事に基づいているのですが、 そのNHKの記事自体は是川夕部長の研究に基づいているようです。

その是川夕部長の論文には以下のように書かれてあります。

日本人の年齢別,検挙人員は分かっていることから,まず,日本人の年齢別,犯罪率を計算する。次にこの値を年齢別の外国人人口に乗じることで,仮に外国人が日本人と同じ年齢別犯罪率に従った場合の検挙人員の推定値を求めることができる。この値を外国人の刑法犯検挙人員と比較することで,年齢構成について考慮した上での外国人と日本人の犯罪率のおおまかな比を知ることができる。
その結果,外国人の検挙人員の推定は6,870人となり,実績値は推定値の約1.3倍の9,004人となった(図5)。また,凶悪犯については推定値が234人であるのに対して,実績値は314人であり,推定値の約1.3倍であった。このことは,外国人の犯罪率は若年人口が日本人よりも多いという年齢構成の違いを考慮しても,なお日本人よりも高いことを示している。

つまり、金井高志議員が参考にした是川夕部長自身が、

外国人の犯罪率は若年人口が日本人よりも多いという年齢構成の違いを考慮しても,なお日本人よりも高いことを示している。

と明記しています。

一方で、金井高志議員のブログは、是川夕部長の分析を引用して、

人口あたりの犯罪率も、年齢構成を考慮すれば日本人より高いとは言えないとしています

と解説しています。

虚偽情報の発生と流れ:是川夕部長のトンデモ論文 → NHK → 金井高志議員

これでは、金井高志議員のブログ記事と是川夕部長の論文の内容に齟齬が生じているように見えますね。 これには理由があります。

実は、是川夕部長の元々の論文は、

  • 犯罪傾向の強い不法滞在者も統計から外し、
  • 検挙件数ではなく検挙人員を用いて犯罪率を計算し、
  • 外国人の検挙比率が高い薬物事犯などを含む特別法犯を統計から外し
  • 年齢統制をして現実の外国人犯罪率より低い仮想の外国人犯罪率を求め、
  • 昔の日本社会全体の犯罪率と、西暦2023年の年齢統制後の仮想の外国人犯罪率を比べることで
外国人と日本人の犯罪率には実質的な差はない

という結論を強引に導いたものです。当然、これは学術的に不適当な結論です。

さらに、金井高志議員が直接の情報源として引用したNHKの記事では、

人口当たりの犯罪件数、犯罪率についても 「外国人の方が日本人より高いとはいえない」 と分析しています。
是川国際関係部長 (中略) 「年齢構成が仮に同じであった場合の推定を行うと、外国人は、日本人全体の値からは若干高い数字になりますが、外国人全体の犯罪率は、やや高い地域の日本人の犯罪率よりは低く、誤差と言っていい差の中に入っているということになります」
「凶悪犯が多い」という主張もありますが、日本人の犯罪と外国人による犯罪の傾向に大きな違いはありません。

と不正確な記述が並びます。

金井高志議員は、この不正確なNHKの記事を引用して「人口あたりの犯罪率も、年齢構成を考慮すれば日本人より高いとは言えないとしています」と発信したと考えられます。

しかし、一方で、元々の是川論文自体は(外国人の犯罪率は)「外国人の犯罪率は若年人口が日本人よりも多いという年齢構成の違いを考慮しても,なお日本人よりも高い」と明示しています。

つまり、金井高志議員の選挙ドットコムの記事は事実に基づかない虚偽情報です。

今回の件では、

  • 第1段階:社人研の是川夕国際関係部長が、学術的に不適切なトンデモ論文を発表し、
  • 第2段階:おそらくその論文をもとに是川夕部長がNHKへ不適切な説明をし、
  • 第3段階:そのNHKの記事を読んだ金井高志氏が記事内容をさらに単純化し歪めることで、
  • 第4段階:選挙ドットコムで虚偽情報を発信した

のがことの顛末のようです。

社人研は国立研究所、NHKは公共放送、金井高志氏は公職につく政治家です。

誠に残念ながら、虚偽情報の出所から拡散まで、日本の公的機関が利用されてしまいました。

まとめ

最後に、こちらが確認できる範囲で、金井高志議員のブログ記事の虚偽情報をまとめます。

  • 虚偽情報①「『外国人増加で治安悪化』ということは根拠がありません。」
    • → 根拠、あります。警察庁や入管庁の統計をご確認ください。
  • 虚偽情報②「凶悪犯が多い」といった主張も、法務省や犯罪白書のデータから誤りであることが示されています。
    • → 検挙数で測ると、外国人の強い凶悪犯傾向は明らかで、これは是川夕部長の論文にも明記されています。
  • 虚偽情報③「人口あたりの犯罪率も、年齢構成を考慮すれば日本人より高いとは言えないとしています。」
    • → 「外国人の犯罪率は若年人口が日本人よりも多いという年齢構成の違いを考慮しても,なお日本人よりも高いことを示している」ことが、是川夕部長本人によって示されています。

なお、本稿における「虚偽情報」とは、事実と異なる情報を意味し、発信者の故意性や欺罔意図の有無を論じるものではありません。

是川夕部長の論文の詳しい解説はこちら

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